先日時事通信社のニュースで、企業の6割が就活解禁のルールを守らずに採用活動していたことが分かりました。
企業の新卒採用におけるこのルール。法的拘束力が無いとはいえ、6割もの企業が守らないとはあまりにも杜撰です。
今回はこの件について書いておきましょう。
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まずは少し新卒採用解禁ルールについて触れておきます。
このルールは、採用活動を開始して良い時期についての取り決めです。大学や経団連などが協議を重ね、政府が経済・業界団体を通じて各企業に要請しています。学生の本分である学業が、就職活動によって妨げられないようにするためですね。
ただし、外資系企業や経団連に属していない企業には縛りがないため、採用時期が早くなる傾向があります。
また外資系の大手企業はインターンの参加が採用に直結していることもあるので、目指す企業については入念に調べておきましょう。
ところが、そのルールを破る企業が6割も存在するのです。
答えは簡単。優秀な人材をいち早く確保するためです。
近年は有効求人倍率も1.5倍を超え、正社員倍率も1倍を超えています。それと同時に、新卒の就職率も向上しています。
となると、優秀な学生をいかに早く確保するかの競争になりますよね。法的拘束力のないルールにいちいち従っていては、優秀な人材をみすみす逃してしまうわけです。
『けしからん!企業はルールをちゃんと守るべきだ!』
お怒りはもっともですが、かえってこちらのほうが新卒就活生にとっては都合がいいかもしれません。
つまり「ウチはルールを守らない会社です」と、自己申告しているのと同じなわけです。
よって新卒就活生たちは、自分が受けようとしている会社がルールを遵守する企業なのか、それともそうでない企業なのかがある程度判別できます。
『そんなことで会社を分かったようなことを言うな!』なんて怒られそうですが、不況で就活していた私は、当時よくこう言われましたよ。
『面接に来る人の第一印象で、大体その人物像がわかる』って。
だったら会社だって同じじゃないですか。
ましてルールを守らないという紛れもない事実で信用を落とす行為をしておいて、『そんなことで会社を分かったようなことを言うな!』なんてことが通用するはずがありません。
第一印象で分かるのなら、人だろうと会社だろうと同じこと。まして、印象どころかルールを破っているという事実で信用を落としているのですよ?
こういうのを『甘え』というのです。
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優秀な学生なら上記のような本質的なことに気が付いているはず。
ならどう動くでしょう?
当たり前のようにルールを破っている会社に、行きたいと思いますか?
残りの4割、ルールを守っている企業に行くでしょう。
当然です。
優秀なんですから、信用できない会社になんか行くわけがありませんよ。
逆にルールを破って採用した学生は、その本質が分かっていないかもしれません。単に『就活が早く終わる』と思って、適当に内定をもらっている可能性もあります。
それが本当に、会社にとって優秀な人材となりえるでしょうか?
そもそもこういう企業は、普段から何らかのルールを守ってないのが当たり前の企業文化だから平気で新卒採用解禁ルールも破るのです。サビ残や違法労働、有給や育児休暇がなかなか取れないなど、あとで必ず不利益を与えてくることは予見できます。
なぜこうも日本の企業は、労働に関しては平気でルールを破るのか理解に苦しみます。
だからこそ新卒就活生の皆さんにおかれましては、本質を見極めて活動をしてほしいのです。幸い、こうして就活解禁ルールを守らない会社はすぐに分かりますから、判別することも簡単です。
すぐに就活を終わらせたい気持ちも分かりますが、何よりも信頼できる企業を探しましょう。