受動喫煙の危険性は既知の事実です。
しかし日本ではいまだに喫煙者の声が大きく、そして強いため、なかなか全面的な禁煙国家になりえていない現状があります。
そんななか、タバコをやめると有給休暇が追加で付与されるというユニークな制度を導入している会社が話題だったので、こちらでご紹介します。
都内のマーケティング支援会社「ピアラ」は、非喫煙者の社員に対し既定の有給休暇に加えて6日多く付与するという、ユニークな制度を始めた。喫煙している社員がタバコを吸いに出かけるのは、余分な休憩時間で不公平だという非喫煙の社員から意見が寄せられたことがきっかけだという。
この制度の素晴らしいところは大きく2つあります。
健康については言わずもがな、タバコには発がん性物質や受動喫煙による健康被害も指摘されていますので、やめたほうがいいですね。
現在のタバコの購入代金はもちろん、将来的にも肺になんらかの病を患う可能性が高いなど、お金も無駄になりますし。
そもそも企業は社員がいなければ成り立ちませんから、彼らが素晴らしいパフォーマンスを上げるには健康でいてもらうのが一番です。であるならば、不健康であることが分かりきっている喫煙など、そもそも容認するのがおかしいのです。
もちろん吸う・吸わないは個人の自由ではあるのですが、できるだけ禁煙を喚起したほうがいいでしょう。
もう1つはお金ではなく、有給休暇を付与したこと。
引用にもあるように、余分な休憩時間で不公平だという指摘は確かにその通りです。
これに対し、有給休暇という時間のリソースで応えたことが、本質的で素晴らしい対応だと思うのです。
例えばこれが、『じゃあタバコを吸わない社員には非喫煙者手当てを・・・。』では、この不公平感は上手に解消できなかったでしょう。時間的な不平等を問題視していたのですから、時間で解決しなければなりませんよね。
どうなるんですかね?
例えば会社では吸わないけど帰りにスパスパとか、外回り中、吸わないのに喫煙スペースを動きまわってた、なんてことも考えられなくはないですよね。
詳しい情報は分かりませんが、今後の課題として残るかもしれません。
今回紹介したこの『タバコをやめれば有給休暇』という対応、元々は時間的な不平等を改善するためのものでした。
しかし発想を変えれば、これを喫煙が常態化している職場で導入したら非喫煙者を減らせるかもしれません。だってタバコをやめるだけで、有給休暇が増えますからね。
なお受動喫煙に関しては、このような意見があります。
健康被害をさらにわかりやすく示そうと、片野田さんらは、因果関係が確実な肺がん、脳卒中、虚血性心疾患、SIDSについて年間死亡者数を推計した。
「これらの病気に限っても、受動喫煙で亡くなる人は年間約1万5000人となり、交通事故死4000人の3倍以上でした。受動喫煙との因果関係が確立されつつある乳がんによる死亡も含めたらさらにこの数字は増えるでしょう」
厚生労働省も、受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正に向けて議論を重ねている昨今、喫煙が許されている企業は労働環境が良いとは言えなくなるでしょう。分煙したとしても、残り香ですら嫌がる人もいらっしゃいますからね。
ちなみにタバコで有名なJT(日本たばこ産業)ですが、2017年2月に経済産業省と日本健康会議が共同実施した「健康経営優良法人2017 ~ホワイト500~」に認定されています。
なんだか違和感がありますな…..。