『飲食業界ね。やっぱ大変だよね。』
ご存知の通り、飲食業界はブラック化しやすい業界でございます。ワンオペやパワハラなどの事件が相次いでいましたよね。
今回はそんな飲食業界のホワイト企業に転職したライターさんに、記事を書いていただきました。最近は人手不足や働き方改革が叫ばれるようになり、少しずつ変わってきているようですよ。
今すぐ動きたい方は先にこちらから!
私は大学卒業後、新卒で不動産業界に就職し営業職をしていました。
26歳の時に結婚・出産を経験したのですが、先輩社員を見ていると、この業界では育児との両立が難しそうだと感じました。そこで子供の保育園入園を機に、飲食業界に転職することにしたのです。
飲食業界はブラック企業が多いイメージがあったのですが、私が入社した会社はそうではありませんでした。
まず時短勤務制度が確立していて、平日の9時15分から16時までの勤務となっており残業もありません。明確な評価制度による給与改定と年2回のボーナスがあり、お給料も時短勤務だからといって不公正な天引きなどなされませんでした。
また年次有給休暇の他にも誕生日休暇制度があったり、働き方改革に関連して休みが増えたりしています。
そしてなにより、子育てに理解があることが非常に嬉しいです。
先日は、会社のイベントで『働くママの子育て座談会』という企画が実施されました。
これは各店舗に勤務する子育て中の社員が、本社に集まって意見交換会をするもの。
ただ意見を言い合うだけでなく、『なぜそのように感じているのか』と理由まで深く話し合うことにより、他のママたちの考えを共有できてとても有意義な時間を過ごすことができています。
また子供が急に熱を出して仕事を休みたいときも、店舗同士のヘルプ体制も充実しています。そのため、お店の閑散状況に応じて他の店舗から社員さんが来てくれるので、安心して子供に寄り添うことができます。
確かにホワイト企業ではあるのですが、それでもやはり飲食業は大変ですね。
転職後すぐに飲食店の配属となり、入社後の社員研修でお客様対応の際のお辞儀の仕方と言葉遣いを丁寧に教わりました。この社員研修は、その後の接客スキルを高めるための第一歩になりました。
飲食店で勤務し始めた当初、やる気だけが空回りしてお客様から指摘を受けたことがありました。
良かれと思いお店の看板メニューを一生懸命説明したところ、「私はそれじゃないものを食べたいのに、なんで押しつけるの?」と、お客様にご不快な思いをさせてしまったのです。
そのお客様の担当は、結局先輩社員に代わってもらうことになりました。そして先輩社員の接客を見ていると、お客様の顔を見ながら言葉のタイミングを計っていて、お客様のペースに合わせることが必要なんだとハッとしました。
それからというもの、お客様の目線の動きを観察するようにしました。
メニューのどこを見ているからその説明に入ろうとか、顔を上げて何かを探しているかなど。そのとき今何がお客様にとって必要なのかを想像し始めたら、だんだんと接客が上手くいくようになりました。
また、常連のお客様と顔見知りになったとしても、一定の距離は保つようにしています。
お得意様ですので、ついフレンドリーに接してしまいがちですが、他のお客様から指摘を受けることに繋がります。
そのため、お客様がご自身のことをどれだけ話されているかを一つのバロメーターにしています。これ以上踏み込んではいけないのか、それとももっと会話を楽しみたい方なのか。マニュアルだけではなく、お客様それぞれの心地よい距離感を考慮できるようになりました。
日々の仕事を通して、洞察力と気配り力が身についていることを実感しています。
最近は、プライベートで自分が接客される立場の飲食店に行っても、「あの店員の笑顔がいいな」「声のトーンがいいな」など、自分の感性をバロメーターにして勉強するようになりました。
飲食業は、やっぱり大変です。
でもだからこそ、ホワイト企業を目指したほうがいいです。ワンオペやパワハラの事件が相次いでいますが、やはり従業員が安心して働けないと丁寧で質の高い接客は難しいです。
それに最近は最低賃金も上がり、アルバイトやパートでも高い時給で働くことができるようになってきました。お金がすべてではありませんが、先立つものも大事ですよね。
なので、良い接客は良い会社から、ではないでしょうか。
私の経験が、お役に立てれば幸いです。