『不動産業界って、販売件数や契約件数のノルマとかがあって、達成できないと怒声が飛ぶって聞いたことあるけど実際どうなの?』
不動産の世界も、なかなかブラックな業界として有名ですよね。特にノルマがキツいことが知られています。
今回はそんな不動産業界で転職を経験したライターさんに、記事を書いていただきました。ブラック企業からホワイト企業に転職したら、一体どんな景色が待っていたのでしょうか?
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私は不動産業界のホワイト企業に、営業職として勤めています。30代で結婚し、それを期に以前のブラック企業から転職しました。
私たちの生活に大きく関わる不動産業ですが、戸建てや店舗、商業施設の開発、土地や建物の売買や仲介など、実に様々な仕事があります。
そのなかで私が大学卒業後に就職したのが、土地開発関連の不動産業を営む会社(ディベロッパー)でした。業務は多岐にわたるのでざっくりとお答えしますが、良さそうな土地を探して持ち主に声をかけ交渉して売ってもらう、などの仕事ですね。
当然、簡単な仕事ではありません。
なかなか結果も出ず、ノルマを達成するために休みもなく朝早くから夜遅くまで働くこともありました。
世間一般のブラック企業では、ノルマが達成できないとお叱りがあったり、『結果を出せなきゃ残業は当たり前』と暗黙の了解があったりするんですよね。うちも例に漏れずそうでした。
正直、給料が割に合わないと不満を感じることもありました。
なにより会社内の雰囲気がよくありませんでした。バタバタと仕事に追われ、気持ちに余裕がないのです。
それでも経験を積むためにと数年働きましたが、冒頭の通り結婚を期に転職することにしたのです。
全くの別業界に転職する事も考えましたが、やっぱり自分の経験を生かそうと思い、同じ不動産業界で新たなスタートをすることに決めました。
そして転職した先は戸建てを販売する会社で、前回と同じ営業職です。
『前職と同様にノルマがあるのだろうなぁ』と、ある程度の覚悟をしていました。
しかし私の予想とは裏腹に、その会社はまさにホワイト企業だったのです。
あれほど覚悟していたノルマがなく、契約が取れなくても上司から怒られる事は全くありませんでした。
そして万一契約が取れなくても、住宅の良さをどれだけお客様に伝えられているかを評価してくれました。『良さが伝われば必ずお客様は来てくださる』、という方針で経営されている会社だったのです。
ノルマというのは、当たり前ですが会社の売り上げに直結しています。とはいえ、ノルマに支配されていると、それを達成するために仕事をしがちになります。『お客様のため』ではなく『ノルマのため』に。
不動産は結果がすべての世界です。
でもそうじゃない仕事もあることに、初めて気が付いたのです。
ノルマに支配されて仕事をしていた前職に比べ、目標を達成するために必死に残業して働くこともなくなりました。
決めれた時間に出勤して、定時になれば帰るというのが当たり前なのです。イベントなどがある時は時間外労働をする事がまれにありますが、そういった場合はきちんと残業代もつきます。
『そんなの当たり前じゃないの?』と疑問に思われる方もいらっしゃると思いますが、意外とそうことをしていない会社も多いのです。
『残業して当たり前』。
そんな雰囲気があった前職に比べ、ホワイト企業にはそういった雰囲気はありません。
また私にとって嬉しかったのは、有給がちゃんと取れる事です。
有給を消化したくてもできない、取りにくい会社って結構ありますよね。
でも今の会社は、有給を使ったからといって周りの雰囲気も悪くなることはなく、とても取りやすくなっています。朝電話して、その日の有給が取れてしまうほど。
有給の消化率はなんと100%近いというくらい、しっかりと休める会社に出会うことができました。
また出張へ行く場ときの、交通費や宿泊代もきちんと支払われます。
交通費においても、ブラック企業では全額負担ではない場合がありますからね。
不動産業界はノルマがあり大変だというイメージを持っている方も多く、ブラックな業界だと思われがちです。
でも中にはホワイト企業もあります。そしてホワイト企業で働く方たちは、みなさん気持ちに余裕があり、自然と社内が働きやすい雰囲気になっています。離職率も低く、長く勤める方も多いんです。
ブラック企業もホワイト企業も体験した私としては、同じ不動産業界でもこんなに差があることに驚きました。もしこれから不動産業界でホワイト企業を目指すのであれば、転職するときに次のことをよく見てください。
特に社内の雰囲気です。どんなに求人票の数字が良くても、ブラック企業なのかホワイト企業なのかは社内の雰囲気に表れます(転職サイトやエージェントが調査していることがある)。
私のこの記事が、不動産業界で転職される方のお役に立てれば幸いです。