『ブライダル業界ってなんだか華やかなイメージがあるけど、実際はどうなの?』
主に結婚式に関わる仕事であるブライダル業界。表向きは華やかな仕事のように見えますが、実際はどうなのでしょう?
そこで今回は、ブライダル業界に転職した経験を持つライターさんに記事を書いていただきました。
今すぐ動きたい方は先にこちらから!
私は音楽業界の企業に5年間勤務していました。
「女性にも社会進出のチャンスを」と考えてくれる姿勢が素晴らしく、共感できる部分もあったので長い間勤めていたのです。
しかし平日は連日2時間以上の残業は当たり前で、場合によっては帰宅が深夜になることも珍しくありません。休日も出勤になることが度々ありました。
「女性にも社会進出のチャンスを」という聞こえの良い言葉とは裏腹に、それは残業や無理な業務の詰め込みといった形で反映され、息苦しさを生んでいました。
そんなブラック企業で働き続けたことで業務や不規則な生活から身も心も疲れ果て、『とにかく休みたい』というのが本音で退職しました。
しかし生活のことを考えると、いつまでもゆっくりしているわけにはいきません。独身のひとり暮らしということもあり、1カ月間の心身の休息時間を経てようやく就職活動を開始しました。
そして見つけたのが、そのブライダル業界の企業だったのです。
その企業の代表は50代の女性で、前職と同様、女性の社会進出を応援するタイプの方でした。面接の時点で共感できる部分はありましたし、希望の給与を聞いてくれたという点も高く評価しています。
ただ前職での経験や『ブライダル業界はブラック企業が多いのでは?』という印象を持っていたため、実際にはあまり期待していなかったのが本音です。
ところが違っていました。女性にとって本当に働きやすい環境が整っていたのです。
初めの3カ月ほどは研修期間でした。
ブライダルでは外せない「忌み言葉」を覚えることから始まり、参列者の衣装の知識から結納などの細かい知識やマナーを詰め込みました。
さらに挙式に関わる準備など裏方の仕事もして、さまざまな取引業者とのやり取りなど一通り覚えたところで、少しずつブライダルの企画を任されるようになりました。
まず基本的に残業がありません。もちろん休日出勤も基本的には皆無でした。これは独身のひとり暮らしだからということではなく、既婚女性も皆そうだと、後で聞くことができました。
同じブライダルの企画を行う社員には既婚女性も何人かいましたが、誰一人残業も休日出勤もありません。さらに子どもがいる人には、学校行事にも配慮しているという点にも感心しました。
それでいて社員ひとりひとりの意欲にも、真剣に向き合ってくれます。
初めの印象とは違い、実はホワイト企業だったのです。
もちろん厳しい現実はあります。
確かに経営方針として、基本的には残業や休日出勤はありません。
しかしブライダル業界はお客様あっての業界です。こちらの事情や不測の事態はもちろん、お客様のことを考えて、残業や休日出勤することもあります。
例えば挙式まで日数が限られているなかで、予定していた「イルミネーション演出」が急遽できなくなり、手配をし直すために休日出勤せざるを得ないこともありました。
他にも『大事な式だから』と、計画の変更を複数回希望されるお客様もいらっしゃいます。またお客様の仕事の都合により、夜間に対応することもあるのです。
それでも結果的に喜んでもらえたことや、当日の楽しく感動的な雰囲気に出会うたびに『やって良かった』と思えるのも、ブライダル業界の素晴らしさです。
私は求人の探し方を少し変えてみました。
当時は時間ができたことで疎遠気味だった友人とも会うことができ、疲れていた反面、充実した楽しい時間でもあったのです。そこでできる限り多くの人に会い、さまざまな業界や企業の裏話を聞いて過ごしました。
退職すると『仕事を探さなきゃ』と焦ってしまいがちです。
しかしこのライターさんのように、心身ともに疲れ果てていた方はまずゆっくり休むことが大事です。心身が疲れていると正常な判断ができなくなりますからね。
疎遠になっていた友人に会ったり、趣味やゲーム、動画に没頭したっていいんです。まずはリフレッシュ。そうやっていくうちに心身は回復し、冷静になっていきます。
その後に、今後のやりたいことや方向性を見極めましょう。
他にもネットで実際の経験談などを読み、多方向から情報を集めていました。
1カ月間の休息時間、そうやって情報収集の時間にあてていくうちに、やりたいことの方向性が見えてきたという感じでしょうか。
それから転職エージェントに登録したのも、結果的には良かったようです。
普通の就職活動では、自分では実際に聞けないことがいろいろあります。求人票に記載の条件がどんなに良いものであっても、「本当にこの条件で働けるの?」と疑問を持つ人は多いかもしれません。
なので自分では確認しにくい部分や交渉できないことでも、すべて転職エージェントが代行してくれたので本当に助かりました。
転職に失敗は許されません。
異業種へ転職するなら、慌てずに時間をかけ、できるだけ多くの情報を集めて取り組むのが転職成功の秘訣ではないでしょうか。
私の経験がお役に立てれば幸いです。