働き方改革の一環として、同一労働同一賃金が叫ばれています。
同じ労働なら正規・非正規関係なく同じ賃金を払いましょうというものですが、この考え方自体はとても素晴らしいものです。
ですがこれを悪用するブラック企業が出てくるかもしれません。今回はその対策方法について書いていきます。
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まず軽く同一労働同一賃金について理解を深めましょう。
厚生労働省では次のように定義されています。
同一労働同一賃金の導入は、仕事ぶりや能力が適正に評価され、意欲をもって働けるよう、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消の取組を通じて、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにします。
つまり非正規でありながら正社員並みの仕事をしていても、その立場を理由に、つり合わない賃金しかもらえないような状況を是正しようという話です。
立場の違いではなく、仕事の量や質を見て賃金や待遇を変えましょう、というわけですね。
近年は人手不足を背景にした人材確保のために、この同一労働同一賃金を導入する企業が増えています。非正規であっても正社員と同等の待遇が受けられたり、中には全員正社員として雇ったりする企業も出てきています。
例えばクレディセゾンは、社員区分を撤廃して全員と正社員契約を結ぶことを発表しています。無期雇用で福利厚生や賃金を統一し賞与も年2回行われます。
参照(pdf):持続的成長に向けて、人事制度を改革 社員区分を撤廃、雇用期間を無期化 同一労働同一処遇を実現し、全員活躍を推進 – クレディセゾン株式会社
他にも、ファーストリテイリング、高島屋、J・フロントリテイリング、日本航空、日本生命、スターバックスなど、さまざまな企業が正社員化による同一労働同一賃金の動きを見せています。
一見するとホワイト企業のようにも見えますよね。
でもそうではないことも起こり得ます。
同一労働同一賃金を目指すには、次の2つの方法があります。
当然、行われるべきは後者の『非正規の待遇を上げる(正社員化も含む)』ことなのですが、ブラック企業は前者の対応を取る可能性があります。
つまり待遇を非正規に合わせることで、人件費の削減を行うわけです。
結果的に同一労働同一賃金になるわけですが、納得できませんよね。人手不足が叫ばれているのに、人材への待遇を良くするどころか悪くするだなんて、ブラック企業の可能性を疑われても仕方がありません。
でもそう考えると、就職先の判断材料の1つになりますよね。
当然、優秀な人材は『非正規の待遇を上げる』会社に行くわけです。
正社員として採用されるとしても、『非正規の待遇を良くするくらい、人材を平等に見てくれ評価してくれる』ってことですからね。
反対に、正社員の待遇を下げてくるようなブラック企業に就職・転職してはいけません。
そのような時代錯誤な会社には倒産してもらう必要があります。市場から淘汰されないから、いつまで経っても日本からブラック企業が無くならないんです。
そもそも同一労働同一賃金や正社員化の流れは、人手不足にならなければ起こらなかったことです。今ごろになって慌てているのが日本の会社らしいですが、そんなことだから人手不足や優秀な人材が集まらなくて困るんですよ。
思い知りましたか?そこの経営者さん。
いずれにしても、この同一労働同一賃金や正社員化の流れはチャンスです。
あとは動くだけですよ!