『製造業の工場勤務に興味があるんだけど、実際のところどうなの?』
工場勤務というと、夜勤があったり納期が厳しかったりといった、ややブラック企業なイメージがありますよね。
今回は製造業のホワイト企業で工場勤務をされているライターさんに、記事を書いていただきました。この業界のホワイト企業って、一体どんな感じなのでしょうか?
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私は新卒で製造業界に就職し、工場に勤務しています。
工場は24時間稼働しており、勤務形態は二交代制で夜勤の日もあります。基本的にはシフトを考慮してもらえますが、時には夜勤と日勤をバラバラに勤務しなければならない月もあります。
工場にお勤めの経験がある方ならお分かりかと思いますが、二交代制の勤務は生活のリズムが狂ってしまいがちで、体力的にはややハードな働き方です。
でも現在の仕事を辞めたいと思ったり、転職して他の業界で働きたいと考えたりしたことはありません。
理由は簡単で、今の会社に対する不満が特に無いからです。
ここからは、なぜ今の会社に不満が無いかについてご紹介します。
まず基本給に関しては、異業種と比べて大差ないぐらいです。そこに各種手当が付くことで、最終的にはそれなりに満足のいく金額をもらっています。
例えばサービス残業というものは一切ありません。繁忙期などにたまに2時間ほど残業になることがありますが、このような時でも残業代はきっちり出ますし、夜勤勤務にも深夜手当が付きますからその分給料は上がります。
たまに技術指導を名目に海外の工場に出張に行くこともありますが、この際にも手当はしっかりつくので何の不満もありません。
仕事内容は単調な部分もありますが、皆自分に課せられた作業を黙々とこなす職人気質な人間ばかりです。そのため上司によるパワハラやいびりのようなものも全くなく、人間関係は良好と言えます。
特に私の上司の場合は、『日本の製造業界は、高い品質水準と技術レベルが誇りだ』と自負している様子です。そしてこれを維持するためには、従業員の健康状態や精神状態が安定していなければならない、という考えの持ち主です。
仕事内容に関して注意されたり指導を受けることはありますが、それ以外の場面では和気あいあいとしています。
最近ではブラック企業やブラックバイトという言葉を、テレビやネットニュースでよく目にするようになりました。
製造業界もブラック企業が多いイメージがあるようで、『納期は絶対で、間に合わなければサービス残業』とか、ごく稀に『機械に巻き込まれて大けがするのではないか』と聞かれることがあります。
確かにブラック企業もあるでしょうし、工場での事故は起きえますから、痛ましい事件がニュースで流れることもあります。
しかしどのような業界の仕事でも、事故が全くないという保証はありません。それこそブラック企業に勤務して残業しすぎて自殺するとかありますからね。
私は異業種に勤務している友人と話をするまでは、自分がホワイト企業に勤務しているという自覚はありませんでした。会社に対する不満はありませんでしたが、待遇などに関してはごく当たり前のことと思っていたからです。
しかし現在の日本の企業の中には、私が当たり前と思っていることが、当たり前でなくなってきているということを初めて知りました。
友人が勤めている会社では、サービス残業は当たり前で、理不尽な給与カットや、パワハラ発言も日常的に浴びせられるとのことでした。時には自主的という名目で、手当てのつかない休日出勤をすることもあるのだとか。
私が労働組合は行動を起こさないのかと尋ねると、労働組合が存在しているのか、もしくは存在しているのに機能していないのか、それすらも把握していないような状態でした。
元々どんな工場に勤めようとも、二交代制・三交代制という制度の下では、体力的には厳しい面があります。どちらが楽、というのはあまりないですね。
それでも私が現在の会社で頑張っていこうという気持ちでいっぱいなのは、待遇面のことはもちろん、会社や上司の方針のおかげなんです。友人の話を聞いても、毎日ストレスなく働けていることがいかに幸せなことか。
だからこれから製造業、とりわけ工場に就職・転職される方は、ハードな勤務でも頑張れる職場環境のいい会社に就職することを目指されるといいと思います。